NHKスペシャルで2016年に放送された「風の電話」の再放送を池上彰さんの番組でしていた。

ふと目に留まって見始めたが、涙が止まらなかった…
津波で流されてしまったかもしれない家族につながるかもしれない電話。その電話を頼りにあつまる人、そして電話で話している姿。辛い。見ていて本当につらかった。
でも、震災後の残された人たちの事を知るには、貴重な映像だと思う。多くの人に見てほしい。
時をかけるテレビ「風の電話」を見て
家族を亡くした人が1人、また1人…
何も悪くないし、なんなら幸せに過ごしている人たちが、突然の地震で家族を奪われる。
本当に意味で天涯孤独になった人も少なくない。両親、妻、子供すべてを失くし、新しく建て替えた家には住んでいるものの寂しい。帰ってきてと話しかける男性。
震災から数年がたっても癒されない人が本当に多いことが映像を通して伝わってくると思う。
話すことで癒される
話すことは離すことという意味もあるとはよく言います。
映像を見ていると、震災でのつらい体験を誰かに話すことで、その思い出から少し距離を取れるようになれるんだと思う。それがたとえ電話機であろうが、その電話の向こうに話したい人が居ると思いながら話す。
それだけで癒される気持ちがあるのだと思う。
話を聞くだけで意味がない、役に立てないと思うことが日常の中であっても、そんなことはなく、人と話すことでも癒される気持ちがあるのだということが分かる映像だとも思う。
家族を大切にしようと改めて思える
家族を残して去ってしまった人は、きっと向こうの世界で後悔していると思う。先に行ってしまったこと、急に去ってしまったこと、何も言えなかったこと。そのことを悔いていると思う。
もちろん残された家族も同様で、何も言えず、突然の別れとなったことを悔いているのが伝わってくる。
家族を大切にする、言葉で伝えられる時に伝えることの大切さを知ることも出来る映像だと思う。
最後に
自分もあの世に繋がる電話があれば話したい相手は居る。
どうしようもない父親、仲良くできなかった弟と話がしたい。
親父はどういうつもりで家族を見ていたのか、今なら多少は理解できるかもしれないから聞いてみたい。腹が立つのかもしれないが、もう40年まともに会話していない。いや、10年か。死ぬ半年前に10分ぐらいだけ話したかな。何も聞けないままこの世を去りやがった。
弟には謝りたい。本当に謝りたい。ダメな兄貴だったことを詫びたい。ただただ詫びたい。憎んでいただろうし、怒っていただろう。謝りたい。
みんなそんな風にして、各々が胸の中に秘めた相手が居るんだろうな…とか思うし、それを抱えながら、歯を食いしばって生きているんだよな…なんてことも思う。
そんな風に、それぞれの人の心の中にある何かをよみがえらせてくれるキッカケにはなるはず。そう思える素晴らしい映像だったので、見る機会がある人は是非見てほしい。
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